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現実社会の課題カタログ

大国や巨大企業の力によって未来が想像しづらくなった世界の中、東北芸術工科大学の学生たちは、この地域の日々や身近な人々に目を向けて、日夜研究制作を続けてきました。本学でクリエィティブを学ぶ学生たちは、この小さな世界がまっすぐに大きな世界と繋がっていることを感じながら、それでも、まずは顔の見える身近な人々との関わりから行動することを選んでいます。

そんな学生たちのクリエイションを後押しするために、学びのスタイルがますますデジタル化?多様化する現在にあっても、本学はどの分野の学びにもリアリティーを付加できるよう、積極的に現実社会との連携に力を入れてきました。アナログでしか実現できないリアルな教育現場づくりです。

雨の日も風の日も、大雪の日もこの大学に通い、生身の人々と出会い、モノを触り、コトを体験し、クリエイティブの可能性を全身で探求してきたのです。

今年の卒業制作展においても、学生たちの卒業研究には本学ならではの目線の広さと、行動力の成果が随所に披露されたと自負しています。机上の空論ではなく、教科書やWikipediaだけに学ぶのではなく、プロのクリエイター教員とともに、現実社会で学生が感じたコト、出会ったモノから紡がれた、数百のクリエイションです。

これらは、単なる大学生の卒業制作ではなく、広い意味で、現実社会の課題が記録された貴重なカタログかもしれません。そう感じさせてくれた全ての卒業生を頼もしく感じ、彼らに未来を託せることを誇りに感じています。

東北芸術工科大学 学長 中山ダイスケ