内海日菜子|公共空間の拡充がもたらすサードプレイスの新たな価値~無料で利用できるコミュニティ拠点の必要性~
宮城県出身
山畑信博ゼミ
サードプレイスとは、コミュニティにおいて、自宅、職場や学校とは隔離された、心地よい第三の居場所を指す。サードプレイスは、1989年、レイ?オルデンバーグ(以下、オルデンバーグと訳す)が著書『ザ?グッド?プレイス(The Great Good Place)』の中で提唱し注目され始めた。オルデンバーグが提唱しているサードプレイスでは、その代表例としてカフェやバー、本屋といった場所がサードプレイスとして挙げているが、これらの場所は経済的負担が伴うため、誰もが気軽に利用できるわけではない。また、目的が明確にある場所であるため、利用者に偏りが出る。このことから、無料で利用できる公共的な空間をサードプレイスとして増やすことが求められると考えた。
そこで、本研究では、無料で利用できる公共的な空間をサードプレイスとして拡充していくことの必要性と、その効果を考察することを目的とする。
本研究では、サードプレイスの定義を①自宅、職場、学校以外の日常生活で訪れる第三の場所、②社会的な交流、リラックスを求める場所、③最低でも、2、3ヵ月程度に一度は訪れる場所、④物理的な場所、以上の4点を満たす場所と定め、公共的な空間の定義を①すべての人々が自由に利用できる場所であり、無償または低料金で利用できる施設を含むこと、②様々な目的で利用できる柔軟性をもつ空間であること、以上の2点を満たす場所と定め、無料で利用できる空間の定義を①利用目的が多様で柔軟であること、②公共性があり、誰でも無料で利用できる③「移動の中継地点」としての役割を持つこと、④無料で利用できる「付加価値」としての空間であること、以上の4点を満たす場所と定める。
ヒアリング調査やアンケート調査などの調査を通じ、無料で利用できる公共空間では、広さや立地によってさまざまな需要がある一方で、多くの利用者が明確な目的を持たず、自由で柔軟な活用方法を求めていることが明らかとなった。特定の利用目的に限定されず自由な用途で利用でき、人々が日常的に訪れる場所の延長線上にある空間がサードプレイスとして機能させるために、単なる滞在場所ではなく、利用者が思わぬ付加価値を得られる空間にする必要性があるのではないだろうか。
1. プレゼンテーションボード
2. プレゼンテーションボード