建築?環境デザイン学科Department of Architecture and Environmental Design

冨塚嵩|白鷹山湖沼郡の景観的価値を深める
山形県出身
渡部桂ゼミ

 「県民の森」内にある森林学習展示館へヒアリング調査を行った時に「県民の森」の利用者数が年々減少していることが分かった。それに対して内閣府の調査によると世間の山に対する関心は高いと言える。このことから本研究では「県民の森」内にあるまだ活用されていない白鷹山湖沼群の湖沼景観の魅力を深めることで「県民の森」の利用者数の増加と周囲にある自然へ関心を持つことを目的とする。
 白鷹山湖沼群は山形県「県民の森」内にある湖沼群であり湖沼の総数は24個である。今回現地調査でその中から比較的面積の大きな16の湖沼を対象に行った。現地調査の結果白鷹山湖沼群の湖沼は形状が特殊であるがゆえに同じ湖沼であっても観測地点によって様々な表情を見せることが分かった。また植生図による調査では広葉樹と針葉樹が入り混じる環境であり、これにより湖沼空間に与える印象が樹種によって多様に変化する。また湖沼の中でも人の手が加えられ、周辺の草木が綺麗に刈られている開放的な空間と本来の自然の形を残した閉鎖的な空間がある。開放的な空間では湖沼景観を楽しむことに適しており、閉鎖的な空間は草木により閉ざされた空間を自らの手で切り開いていく面白さを持つ。これらの要素が湖沼ごとに細かく重なり合う湖沼空間の魅力を分析するためにピクチャレスクの観点と自然文学の観点の2点から調査を行った。ピクチャレスクは自然の本来の形が持つ荒々しさや不揃いな様子を美しいとする美的観念である。ピクチャレスクの観点から白鷹山湖沼群を評価するとピクチャレスク的な美しさを持つ湖沼と人の手が加えられた整然とした美しさを持つ湖沼が近距離であることだろう。自然文学の観点では国木田独歩の「武蔵野」を参考にした。「武蔵野」は国木田独歩が武蔵野の美しさを詩的に語っている作品であり作中では武蔵野の景観は自然の細やかな表情の変化により季節の移ろいを感じられると語っていた。このことを白鷹山湖沼群に当てはめて考えると湖沼周辺を草木に囲まれているため木々の変化が分かりやすく季節の移ろいを感じ取りやすいことに加えてシーズンの変化によって湖沼空間も大きく変化するため季節ごとに見せる表情が変化する面白さを持つ。

1. プレゼンボード

2. プレゼンボード