[優秀賞]
原田瑠花|田んぼでロリィタ
宮城県出身
サンキュータツオゼミ
壁新聞
サンキュータツオ 専任講師 評
おもしろい。芸人の私が言うんだから間違いない。
卒制どうしよっかという話になったとき、ここ山形県でロリィタ服を着続けて考えたことをまとめたいとこの人は語った。そういえば、ゼミのある水曜日、原田瑠花は毎週決まってロリィタ服で現れた。真夏の炎天下でも、真冬の雪のなかでも、必ず全身ロリィタで現れた。異常な気合いだった。そしてこの作品を味わったとき、その異常さの理由が少しだけ理解できた。
よし、こうなりゃ前代未聞のエッセイ集だ! 同時に、3年時からワンオフの読み物である「壁新聞」というメディアを制作し続けた成果も加え、ここに相互補完の卒制が完成した。
隣にいる人がなにを考えているか、それは私にはわからない。だから迂闊なことは言えない。人を傷つけてはいけないけれど、自分らしく自由に生きなければならない。この作品はそんな時代の同調圧力的要請に対するユーモアのある抵抗であり。文学だ。