[最優秀賞]
片田日菜子|原爆と、
東京都出身
中山ダイスケゼミ
私の祖母は5歳の時に広島で被爆しました。あの日からずっとヒバクシャとして生きてきた祖母。私はヒバクシャの孫として、原爆を今に伝えるためのインスタレーション作品を制作しました。たった一発の爆弾で79年も苦しんだ人がいることを、私たちは伝え続けていかないといけないと思います。
中山ダイスケ 教授 評
片田さんの祖母は、原爆投下の当時5歳。年々減り続ける被爆者約11万人の中の1人です。祖母の話に心を打たれた彼女は、幾度も広島に足を運び、被爆者や関係者の声を集め、戦時体験を直接聞くことのできる最後の世代としての重い責任に気づき、そしてこの難しいテーマに果敢に挑みました。これまでに戦争の悲劇を伝えた数多の表現とは異なり、一見POPに整理されたようにも見えますが、同時代の人々に伝えるための表現や仕掛けにこだわり続け、彼女としてのリアルを貫き通したその仕事量をGD学科として高く評価しました。片田さんはデザイナーとして、東京のテクノロジーサービス企業に進みます。この作品のように、誰かのために行動する気持ちを忘れないでください。